第8回「人とモノ、私と缶の置物」

2020.10.31

お久しぶりです、miuです。

気が付けばすっかり秋の頃。
トンボがすいすいと空を飛び、街中ではススキをアレンジした花束を
持った人が忙しそうに先を急いでいて。
お外をふらりふらりと歩いていても陽の光が優しくなったな、空が高
くなったななんて秋の訪れを味覚以外でも楽しんでいるこの頃です。
さて、気まぐれコーナー『映えない話』今回はこちら。

気が付くと題材にこういったものを選んでしまう…
この類のものが好きで無意識のうちに選んでしまっているのか…
そういった内情はさておき。

いや、渋い、かっこいい。
時を経て素敵な雰囲気をまとった缶の置物をまじまじと眺めて。
いいなあ…と思いながらも私の意識はずっと蓋の文字に向いています。
やっぱり気になるよな、この文字。ある種の癖だこれは。
そんなことを思いつつ、調べはじめました。

 

ご縁あってお譲り頂いた雰囲気のある缶置物。
こちらは現在、カナダでも販売されている定番のベーキングパウダー
MAGIC BAKING POUDERの古い缶であることが判明しました。
当時のラベルは貼っておらず、どんなものだったのかもわかりません
が確かに今でも販売が続いている定番のベーキングパウダーの入れ物
とのこと。

 

そうして調べていくうちにとある記事に目が留まりました。
それは海外のライターさんが書いた記事で、内容としては
『役目を終え、解体される飛行機を調べていたら機体内部
からこういったものが出てきたよ』というもの。
一連のその中にこの缶と同じものが登場しており、何の気も
なしに読んでいた私はちょっとびっくり。

どうして飛行機の荷物の中に入っていたのか、それが明かされる
ことはないまま記事は終わってしまいましたが、大きな飛行機_
旅客機のようなものではなく1人用の小さな飛行機から見つかっ
ていましたのできっとその操縦士さんの持ち物だったんだろうな。

その操縦士さんと何か縁があったのかな、どうして側に置いていた
のだろう、何に使っていたのかな。
なんて思いを巡らせながら缶を撫でてみます。
きっと私の手元にあるこのものにも人とのストーリーがあるのだろ
うな。

 

当時のラベルは見る影もないし、様子も随分と変わってしまったと
思うけれど。
それでも大事にしてきた人たちがいて、こうして今に届いたものが
沢山あるんだね。
なんだか久しぶりに人とモノとのストーリーに触れることができて
ほっこりとした午後なのでした。

 

ということで今回はここまで。
「映えない話」お付き合いいただきありがとうございました。

 

miu
「缶の置物」

 

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