第1回「きみはなにをつくるの」
バターメーカー。
そう、こちらはバターメーカーなのです。
「何だこれは…」
ある日使い道がわからない不思議な道具を前に首をかしげて
しまいました。
頭はメカニックな作り、その先には木のハンドル。
下はガラスで中身が見えます。そしてやっぱり中に木の棒。
スタイリッシュでかっこかわいい。
一目惚れして連れ帰りましたが、こんなものは初めて見ます。
触れてみると木の取っ手のハンドルは少しぎこちなく回り
「からから」と音を鳴らします。
それと同時に中の木も回る、まわる…まわる…ね。
きみは一体何をするものなんだ?!
使い方も、名前もわからないものを前に、情報を追いかけ
追いかけ……。
やっとのこと決着がつきました。
この子は、バターチャーンつまりはバターメーカー。
バターを作る為に欠かせない道具の1つだったのです。
「バターを作る為に欠かせない道具」なんて聞くと、
さて、どうやって作っていたのか。
こちらはイギリス現地のお方が投稿されたお料理動画を見つけて
チェックしたのですが、本体の蓋を開け、材料を入れてハンドル
を回す、ぐるんぐるんひたすらに回すこと50分。
「僕がやる!」と最初、目を輝かせて作りはじめた子供は
「まだ回すの~~~?!」とお父さんが撮影するビデオカメラに
向かって悲鳴を上げていました。
見ているこっちも腕が疲れそうだ。
とにもかくにもすごい! 本当にバターが出来上がりました。
改めて見ると手動で作っていた時はそうか…こうしてバターを
作っていたのか…と。
材料もそうですが、この作り方を見ていると当時の人が
「バターは贅沢品だ!」なんて言うのも頷けます。
きーこ、きーこと思わずハンドルを回してしまいます。
今日のトーストのバターは控えめに。
紅茶も淹れて一緒に齧ってみようかな。
ということで今回はここまで。
映えない話、お付き合いいただきありがとうございました。
miu